- 一ノ瀬メディカルクリニック
- 一ノ瀬 修二 先生
-
- この度は、独立開業まことにおめでとうございます。
改めて、開業とこれからの展望についてのインタビューにお付き合いください。
まず、一ノ瀬先生がドクターを志した時期や動機を教えていただけますか。 - 高校3年までは理工学部への進学を考えており、現役の時は医学部を受験していません。浪人してから受験科目を変え、医学部受験することに決めました。
きっかけは幼少のころから何故か『修二は医者に向いている』と祖父から言われ続けてきたことが大きかったように思います。祖父は文系の大学教授をしており、沢山の学生と接する事が多かったと思うので、何かピピっと感じるものがあったのかもしれません。高校2年のときに亡くなり、その頃から少しずつ意識するようになりました。
- この度は、独立開業まことにおめでとうございます。
-
- ご専門の診療科目は、早くに決められていたのでしょうか。
- 手術をしたいという思いが強く、『脳神経外科』『泌尿器科』『呼吸器外科』で悩みました。卒業が決まり、いよいよ進路を決めなくてはならないという状況で決めました。
-
- お伺いした限りですと、志望された進路を歩んでこられた印象を受けますが、それでも独立を決意されたのは、何か大きなきっかけがおありだったのでしょうか。
- 2020年の初旬頃からコロナの影響もあって自分自身と向き合う機会が増え、このままスペシャリストとしての道を歩むことに迷いを感じるようになりました。そんな中、父の病気で様々な科を受診しなければならない状況を経験し、一人の患者さんを幅広く診ることのできる医師になりたいと強く思うようになりました。
-
- 先生は、疾患ごとに各診療科やクリニックを回ることが患者さんのためになるのだろうかと、開業準備中も仰っていました。そんな患者さん目線の心遣いは、クリニックにも表れていると思います。
独立されるにあたっては、色々な面からご検討されたかと思いますが、その中でも特に不安だったことを教えてください。 - 開業場所の決定が一番悩みました。
- 先生は、疾患ごとに各診療科やクリニックを回ることが患者さんのためになるのだろうかと、開業準備中も仰っていました。そんな患者さん目線の心遣いは、クリニックにも表れていると思います。
-
- 結果として弊社提案の建物でのご開業されたことで良いご縁ができ、弊社も嬉しく思います。開業されるにあたって、診療方針や、特に重きを置いておられた部分を教えてください。
- 内科の慢性疾患、切り傷や外傷、皮膚疾患は日常で困る機会も多く、これらは当院で全て解決できるようにしたいと思いました。また専門である肺がんの予防と早期発見にも尽力するつもりでした。
-
- クリニックの間取りや使い勝手に際して、重要視したことをお聞かせください。
- “クリニック以上、病院未満の医療施設”をコンセプトにしていたので、CTは必ず導入すると決めていました。なのでCTの設置場所を決めてから、そこから逆算するように間取りを作っていきました。診察の他にも切ったり縫ったりの処置、CTやエックス線の撮影も行わなければならず、全ての移動距離をなるべく短くできるように工夫しました。
-
- ご開業の準備期間で、とりわけ苦労されたこと、気を付けたことはありますか。
- コロナの真っただ中ということもあり、院内の換気と発熱されている患者さんの対応には特に気を配りました。
クリニック内は18人いても1時間に7.5回全ての空気が入れ替わるような換気システムになっており、これは厚生労働省が推奨している1時間に2回の換気を十分に上回る回数であり、患者さんにも安心して受診して貰えるものと思っています。
-
- 感染症まん延の中の開業は、一見すると厳しいことだらけと思いがちですが、ゼロから新しい環境を作り上げられるので、こういった対策を講じやすいのはむしろメリットかと思います。当社も感染症の影響で建築資材や機器類が入りにくいなどの逆風を受けましたが、無事にクリニックをお渡しでき嬉しく思います。クリニックが完成したときの、ご感想はいかがでしたか。
- 図面の距離感と実際の距離感が結構違っていて、想像より全てが広く感じ、動線もしっかり確保されていることに安堵し、とても喜んだことを覚えています。実際に開院してから2ヶ月後には県の指定を受けて発熱外来を行うことができ、沢山の患者さんを診察することができました。
-
- 完成したクリニックの使い心地はいかがでしょうか。気に入っている部分や、使ってみて良かったところがあれば教えていただけますか。
- 図面を30回ほど改良しましたが、悩んで変更した部分は全て正解だったと感じています。使い心地は完璧で、診療はとてもスムーズに行うことが出来ています。
一番気に入っている部分は内部が陰圧になっている『特別診察室』で、クリニック内を通る事無く、別の外扉から入室が可能です。この存在を知ると発熱外来を受診している患者さんは安心されますし、また慢性疾患などで通院されている高齢の患者さんからも安心できると言って頂いています。
-
- 院内の間取りは本当に無駄がなく、何度も推敲した甲斐があったかと思います。新たな環境でスタートされた今、クリニックの診療方針と、今後の展望についてお聞かせください。
- とにかく身体のことで不安に思ったことは何でも相談できるクリニックを目指しています。そして健康寿命を延ばして人生を楽しむお手伝いが出来ればと思っています。
-
- 多くの患者様が、先生の想いを受け取っているかと思います。最後になりましたが、現在開業を検討されているドクターへ、先輩としてのアドバイスや助言がありましたらお願いします。
- 言い方は悪いですが医療の開業に『引き分け』と『勝ち』はあっても『負け』はないと思っています。(自分自身を鼓舞する気持ちも込めて)
ですので開業の2文字が頭の中をフワフワしている方は即行動することをお勧めします。
最後になりますが、内装はKudoカンパニーさん激推しです。どんな状況でも、何度でも何時まででも相談に乗って下さいますし、いつも真摯に対応していただきました。自分でもこれ以上は流石にきついかな?って思う、更にその先まで受け入れてくれる懐の深さがありますので、皆様もどうぞ安心してぶつかっていってください。
ご開業後の慌ただしい中、インタビューにご協力頂き重ねてお礼申し上げます。一ノ瀬先生は大変な勉強家で、合理的な考えをお持ちの先生です。ご自身の方針をしっかり持たれ、例えばCTの導入や、クリニックでは少数派の小便器の採用などですが、常に患者様のことを考えており、最期までその方針がぶれることがありませんでした。そんな先生に多くの部分を任され、私どもも見習うところの多い、大変やりがいのあるプロジェクトでした。一ノ瀬先生の益々のご盛業を心よりお祈りいたします。
https://ichinose-clinic.net/