開業する先生に捧ぐ No5.①リース取引について
建替え・開業
クリニックを開業する先生に捧ぐ No5.【リース取引について】
クリニック開業の際、多くの場合、検査や治療のため高額の機器を導入すると思います。
レントゲン設備(CT・MRI・超音波等)などの検査機器、またコピー機などの事務機器も大きな出費となります。
これらの導入方法として、自己資金や借入による購入のほか、選択肢としてリースがあります。
今回はリース取引が経営に及ぼすメリット、デメリットを解説します。
- ファイナンス・リースとは?
医療機器等のリース取引を行う場合、具体的な用語としては、「ファイナンス・リース」を指すことがほとんどです。
ファイナンス・リースの仕組みを簡単に説明しますと、リース会社が、「事業者が使用する機器を購入」し、事業者と賃貸借契約を結ぶという契約形態です。
事業者は、機器を利用しながら、リース期間中に機器の代金をリース料として支払うことになります。
自己資金で購入する場合と比べ、初期投資が小さくなり、費用が平準になる効果があり、広く活用されています。
医療機器を購入する場合、自己資金での購入のほか、融資を受けて購入する場合があります。
借入金で機器を購入すると、毎月返済が必要となり、実質的に、機器を借り毎月リース料を支払う場合と似た形態となります。
そのため、リースの特徴は、融資による購入との違いに注目するとわかりやすくなります。
- リース取引のメリットとデメリット
リース取引と借り入れによる購入との違いのうち、メリットおよびデメリットとなりえることとして、以下のようなことがあります。
- メリット
・リース会社一社との契約となり、融資&購入より容易
・金融機関が設定する融資枠を別に使うことができる
・機器を所有しないため、固定資産税がかからない
・保険料等がかからない
・利用期間が伸縮可能である
- デメリット
・融資の金利と比べると割高となる
・中途解約ができず、解約する場合は高額の違約金が発生する
・期間満了後は、新たな契約か返却が必要(買取ができる場合もある)
・汎用的な機器にしか対応できず、特別仕様の機器には向かない
・購入を対象とした税務上の特別償却などの制度が利用できない
- リースを賢く使うためのポイント
購入とリース、どちらを選ぶか判断する場合、上で説明したファイナンス・リースの特徴を踏まえる必要があります。
どちらが有利になるかの判断をする際のポイントとして
以下のようなものが考えられます。
・買い替えを行う必要がなく、長期間利用する機器は購入
・使用期間が短い機器は、金銭面等を比較して決める
・銀行枠を別に使いたいときはリースを選択する
・固定資産税や医療機器に関する特例など、税負担の影響を税理士に確認する
開業時に、大きな出費となる医療機器等の準備。
一つひとつの機器の特徴、また資金繰りの予測などの事業計画をもとに、最善の導入方法を考えてみては、いかがでしょうか?
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